おはようございます!
民宿美味し宿かどやのGakuです。
昨日の続きから今日はちょっとユニークな趣向で
事業者側からみた宿泊サイト比較
という考察をします。
代表的な3つの予約サイト
「じゃらんnet」「楽天トラベル」「るるぶトラベル」
この違いって何でしょう?
予約サイトが始まった頃から見ている私にはこんな風に映ります。
「じゃらんnet」・・・広告会社「リクルート」が作ったサイト
その他広告系:まっぷるトラベル
「楽天トラベル」・・・インターネットモール運営会社「楽天」の作ったサイト
その他インターネット系:ヤフートラベル(但し、運営コンセプトは広告型)
「るるぶトラベル」・・・旅行会社「JTB」が作ったサイト
その他旅行会社系:HISスマ宿
いかがでしょうか?
言われてみれば、そのとおりだと思いませんか?
通常、「じゃらんnet」と「楽天トラベル」が2強と言われています。
「るるぶトラベル」がやや後退。何故か?
るるぶトラベルが後れをとった理由
るるぶトラベルが2強よりも後塵を拝している理由は旅行会社が作った予約サイトだからです。
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えっ?なぜ「旅行会社だから」なの??
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一見、旅行のことを知り尽くしたJTBが最も強いように感じます。
この結果は、旅行予約サイト誕生時期の状況が原因です。
宿泊予約サイトはリアル店舗を持つ旅行会社にとって”競合”とも言える存在でした。
当時”脅威だった”とも言えましょう。
旅行会社と予約サイトの一番の違いって何だと思いますか?
それは「予約サイトは販売価格を宿が決められる」ということです。
例えば、ゴールデンウイークやお盆、年末年始の旅行会社の価格。
旅行会社はものすごい高額ではありませんか?
我々が1万円で旅行会社にお部屋提供すると、それが繁忙期だと1万5千円とか2万円で販売されることがあります。
宿側が決めている価格ではなく、旅行会社が需要と供給に応じて価格を設定するからです。
しかし、予約サイトは宿が決めた販売価格に対して手数料を取るだけ。お客さまにとっても繁忙期と閑散期、極端な違いはありません。
お客様と対面、おもてなしをする私達は、お客様から法外な水揚げ価格での商売はできません。
繁忙期に仕入れや人件費が高くなる分を少しだけ上乗せする程度です。
宿が価格を決められる。
逆を言えば、価格を宿がコントロールする予約システムに参入することに、旧来の旅行会社が躊躇した、ということです。
広告会社はユーザーの注目をあつめるのがうまい
予約サイトというのはポータルサイトでもあります。
予約できる宿泊施設をたくさん抱え込んで提供する。
「じゃらん」という広告雑誌を運営していた強みのあったリクルート。
参入障壁は少なかったでしょう。
むしろ、最初は雑誌とのクロスリンクによる相乗効果もありました。
雑誌に掲載している宿がそのままじゃらんnetに参画すればよいだけです。
実際、私が最初に参画したのはじゃらんnetです。
その頃は雑誌じゃらんにも広告を出していました。
旅行会社とのパートナーシップのない当館のような民宿。
「じゃらん」という雑誌は、直接お客様に宿を知っていただくための救世主のような雑誌だったのです。
「お客様に宿の存在を知っていただく」
そのための広告会社としてのノウハウは、じゃらんnetというインターネット上でも活かされました。
「じゃらん」という雑誌に載せれば。じゃらんnetに部屋提供すれば。
とにかくお客様からの予約が入ってきたんです。
但し、そのためにはじゃらんnetに同じようにでている同業者のお宿さんとの比較で、選ばれなければなりません。
そのためには「設備をリニューアルするか」「値段を安くするか」
あるいは「広告を出してじゃらんnet内での検索順位を上げてもらうか」しかないわけです。
「にゃらん」かわいすぎ!
こういった販売促進、さすがにウマいです
できるだけ個性を表現させないようにして、横並びに評価できるようなポータルサイトを作る。
広告代を多く出しているところから順に予約が入りやすくする。
そう。「広告会社」なんですから、そうするのは当たり前といえば当たり前です。
100室の宿でも10室の宿でも広告料は同じ。
個性を表現できる場がなければ「選んでもらう理由」はお金をかけた順。
小さな宿だと、旅行会社にお渡しするリベート以上の広告費がかかってしまいます。
この広告会社型予約サイトは、大きな宿ほど有利な仕組みです。
インターネットモールの会社が宿予約サイトをはじめた!!
「楽天」といえば「楽天市場」
インターネットモールを運営する会社が大もとです。
ここで、楽天市場を「インターネットモールの運営会社」というだけで認識してしまうと見落としがでます。
楽天市場の歴史を調べてみましょう。
今や、インターネットで物を買うことに大きな抵抗はありませんよね?
重要なのはインターネットで物を買うことを当たり前にした会社の一つということ。
言い換えると、インターネットでの販売ノウハウを持っている会社、ということです。
「インターネット上で売るにはどうすればよいか?」
- 店舗(施設)の「とんがり」を明確にしよう
- 店長やオーナー、女将の「顔」を出そう、思いを表現しよう
- 「お客様の声(クチコミ)」を集めよう
- メルマガや懸賞広場でお客様と継続してコンタクトをとろう
といったようなことを意識してオリジナルページを作るとお客様に選ばれますよ。
インターネットで売れるための表現方法を熟知し、教えてくれる会社なのです。
ただ、このやり方は宿側にとってはものすごく違和感があります。
「予約サイトや旅行会社はお客さんを送ってくれるところ。要はネットエージェントでしょ」
「コンサルティングしてもらってもねえ、、、
ましてや、教えてもらっても、やるのは自分だし」
インターネットに詳しくてそれを実行できるところなんて一握りなわけです。
だから、広告としてお金をかければ、あるいは選ばれるように設備にお金をかければ、安売りすれば。
手っ取り早くすぐに送客してくれる予約サイトの方が良い!となるわけです。
いかがでしょうか?
以上が、じゃらんnetと楽天トラベルが2強となった理由です。
とは言え、まだまだ歴史は浅く、それまでのビジネスを色濃く残しています。
今日のブログは、結果として自社サイトと楽天トラベルのみを私が選んだ理由の背景ともなるお話だったかと思います。
香住/佐津/柴山 民宿美味し宿かどや
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