冬の松葉ガニシーズンのJR復路臨時便の運行は実現しないことが確定しました

JRローカル線廃線のシナリオが始まった 交通事情
決して遠くない、近い将来に想定すべき問題です

冬の松葉ガニシーズンのJR復路臨時便の運行は実現しないことが確定しました

おはようございます!民宿美味し宿かどやのガクです!!

昨日、かにバス香住ライナーのご案内をさせていただきました。

冬季かにバス香住ライナーの最終説明会に参加してきました!!
昨年より、大阪と香住を結ぶ「かにバス香住ライナー」が運行しています。昨日、そちらの最終説明会がありましたので、詳細をご案内申し上げます。香住区内での乗り降りは、香住駅、下浜、柴山、佐津駅となります。民宿かどやにご宿泊のお客様は佐津駅で下車して下さい。

冬の降雪対策としての交通機関の紹介ではありますが、JRの減便問題(復路午前9時台の列車がなくなった問題)に対応した、新たな交通手段としてご検討いただければと思います。

実際、当館のブログでも、何度かJRの減便問題について報告させていただきました。

JR香住駅発上り線減便問題、何も行動していないわけではありません
先日、日本海新聞さんと神戸新聞さんにJR香住駅発上り線減便問題について記事にしていただきました。私自身、昨年度より観光協会の役員をしている関係上、一連の流れを理解しています。実際の当事者である宿の立場からも、この記事に沿って、現状を報告いたします。

上記のブログの中で、

目標は

香住上り9:38発の11月から3月の臨時便としての再開

とお話しさせていただいています。こちらの目標が、99%困難であること。特に今シーズンの要望として受け入れてもらうことは120%無理であることが確定したことをここにご報告させていただきます。力が及ばず、申し訳ありませんでした。

来月から始まる松葉がにシーズンも既に列車でお越しいただく予定での予約を多数いただいておりますが、去年に引き続き復路便に関してご迷惑をおかけすることになります。

まず、私自身JR西日本さんが陳情に応じてくれると思っていたこと自体が間違っていたようです。前回のブログで「たらい回し」という言葉を使いましたが、そもそもこちらのお願いを聞いてもらえる場を作ってすらもらえませんでした。

話せばわかる、わかってもらえる、との思いでしたが、「話し合いの場は持ちません」というスタンスでした。というのも、こちらは減便、赤字路線の自覚は十分持っていて、それを受け入れざる得ない立場も承知の上で、「せめて利用者数の多い便を無くすのはやめてほしい」という意見が届けば、臨時便対応はしてもらえるのではないかという淡い期待を持っていました。

直接の陳情が無理ということで、いち消費者として必ず返事がもらえる「JR西日本お客様センター」の存在を知り、こちらにも質問状を提出しました。その際送付した文章が以下の通りです。

JR西日本さんへの要望文

JR西日本さんへの要望文

かいつまんでいうと、「なぜ、利用者の多い列車を減便したのですか?」という質問です。それに対し、以下の返事が返ってきました。

JR西日本さんの回答

JR西日本さんの回答

「利用者減少に伴い減便させていただきました」との回答です。「なぜ、利用者の多い列車を減便したのですか?」という質問だったのですが、

香住駅9時38分発はコロナ禍以前からご利用が極めて少なく、現時点で定期列車を運転する計画はございません。また、11月~3月においても、現時点でご要望の時間帯で臨時列車運転の計画はございません。

かいつまんでいうと「その便も乗車数が少ないです」

という回答でした。こちらで持っている乗車人数のデータとJR西日本さんが持っている乗車人数のデータは異なるようです。本来ならば、その辺の確認を取りたいのですが、会ってももらえないわけですから、どうしようもありません。

ただ、その後この回答の理由がわかりました。とい                                         いますのも先月9月に、JRの減便問題について、ローカル線を守る運動をしている人たちとの取組み報告の場に参加しました。

兵庫県ではJRの赤字路線として今、「加古川線」「姫新線」「播但線」「山陰線(城崎温泉以西)」が減便、将来的には廃線になるのではないかという問題を抱えています。

その中でも最も喫緊の状況であるのが「加古川線(旧谷川線)」です。
加古川線は平成16年に電化されたのですが、その際、電化でのスタート直前に何の事前相談、連絡もなく上下29本を18本に減便されたそうです。なぜ、減便するのかのJRから当時の旧黒田庄町への説明もなく、20年経った未だ説明を受けていないとのことです。

減便された列車の中には西脇高校・西脇工業高校への通学に最も便利な便があったとのこと。以降現在も6:26発の早朝便に乗らないと高校へ通えない状況が続いているそうです。

また、姫新線を守る活動をされている方ともお話ししましたが、部活をすると帰りの列車がない状況となっており、地域一番の高校が定員割れを起こす事態になっているとのことでした。

播但線も次の列車を待つために、1時間も2時間も駅で待つ学生がいるそうです。

そう考えると、通学時間の列車ではなく、観光客の列車について困っている我々山陰線はまだマシかもしれません。

つまり、廃線の危機に立たされている他の路線のお話を聞いていると、むしろあえて利用者の多い列車を減便し、一気に乗客を減少させ、廃線やもなしの状況へ持っていっているシナリオが共通しています。

当地域の場合、通学列車の次、観光客が最も多く使う2番目に乗車数の多い9:38発をあえて減便した現状は、JRが描いている近い将来の廃線へのシナリオに乗っかってしまっている気がしてなりません。

余部橋梁をコンクリートにしたばかりだから、山陰線の廃線はないだろう。

私もそんな風に思っていました。ただ、加古川線の例にあるように、JRはそういったタイミングで減便、効率化を図ります。飴と鞭でしょうか(苦笑)。

その際に説明は全くしない。他の路線でも行政が質問しても答えてもらえないわけですから、私や観光協会が聞いても答えてもらえないのにも悲しいかな納得してしまいました。

山陰線に話を戻すと、他の路線の状況を鑑みるに、今後香住高校に柴山駅以東の学生がJRで通えない。豊岡の高校に竹野駅以西の学生が通えないとなる減便が行われるかもしれません。

あと20年か30年は城崎温泉以西にJRはまだ残っているだろうと思っていましたが、現状から推察しますと、早ければ10年以内に廃線の肩叩きが始まるような気がしてきました。

問:なぜ、乗車数の多い列車を減便にしたのか

答:赤字路線の廃線を加速させるため

これが今回、1年以上活動して知り得た絶望感漂う結論です。

JR西日本は頑なに交渉すらしてくれなかった。これはJRという企業の問題だけではなく、自動車道や新幹線の整備と引き換えにローカル線をどんどん始末していく流れを一気に加速していくためなのかもしれません。国が描いているコンパクトシティ政策も関係している気もします。

列車マニアでかつ、まさにJR山陰本線城崎温泉以西の方が総理大臣になったばかりので、少しは期待したいのですが・・・

今回のこちらのブログでの報告は、私の行動から感じた所見であり、立場が異なる人が見れば「それは違う」と思うかもしれません。事実となるか否かは10年後、いえ、早ければ5年後ぐらいにはわかるのではないかと思っています。

JRローカル線廃線のシナリオが始まった

決して遠くない、近い将来に想定すべき問題です

とはいえ、列車への期待は遠のくばかりですが、代わりとなる移動手段、お越しいただく手段を今のうちに考えることについては、まだまだ前向きな気持ちでいます。

列車の未来が暗いことに悲観するのではなく、新たな方法を考えていくチャンスにしたいと思います。

まずはJR西日本さんより

時点で定期列車を運転する計画はございません。また、11月~3月においても、現時点でご要望の時間帯で臨時列車運転の計画はございません。

という残念な結果となる言質をいただいてしまいましたので、ご報告申し上げます。

この冬、復路臨時便の運行はないことが確定しました。

当館のお客様でも臨時便での再開を期待していたお客様もあり、何度かお問い合わせもいただいたのですが、力及ばず、申し訳ありませんでした。

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