それでもかどやが「民宿」を名乗る理由
おはようございます!民宿美味し宿かどやのガクです!!
今年も今日で終了。明日から新年を迎えます。今年最終日ということで、今日はがっつり系のコラムブログで今年一年をしめたいと思います。当館をご予約中の方、ご検討いただいている方にお読みいただけると嬉しいです。
当館は
民宿ではないみたい、旅館と言って良い
というお褒めのお客様の声をいただくことがあります。
高評価でもあり、とても嬉しい言葉です。嬉しい御言葉ですが、当館は「旅館」ではなく「民宿」です。
では、民宿と旅館の違いってどういった点で、当館はなぜ、”民宿”かどやなのでしょうか?
民宿と旅館に明確な違いの定義はない
そもそも、民宿と旅館に明確な違いの定義はありません。広辞苑等で確認すると、”民家の空き部屋を旅人に提供し、トイレやお風呂などの共有設備を家人と旅人が一緒に使うのが民宿”で、”宿泊者専用で設備が用意されているのが旅館”とあります。
このことから視座によって解釈が異なることにもなります。お客様の立場から言えば、設備面が旅行者専用となっているのが旅館でそうでないのが民宿。宿の立場から言えば、サービス業というよりも、親戚のうちに来たようなお客様との距離が近い交流が民宿であると考えたりしています。ただ、近年は”民泊”というカテゴリーも登場し、旅館の劣化版が民宿、設備の増改築で旅館並に豪華な民宿、というのが登場し、宿を選ぶお客様側から見るとカオスな状況になってきているのが正直なところです。
今の時代、旅館・民宿というカテゴリー分けよりも、旅館&民宿と民泊というカテゴリー分けの方が適切なのかもしれません。
昔ながらの”民宿”のイメージは?
ちなみに、昔ながらの民宿のイメージってどんな感じでしょうか。私自身、ダイビングで日本海以外の海辺の民宿に泊まることが多いのと、自分が子供の頃のかどやも”海水浴場にある民宿”でしたので、イメージはあります。
当館もそうですが、日本海側の民宿は”カニブーム”により設備を旅館並みにグレードアップしたところもあります。逆を言えば、当館において”以前はこれなかったよね”というのが旅館にあって民宿にないものと言えます。代表的なのは
客室の入り口がちゃんとした鍵付きドアか
当館も2009年のリニューアル時に全てのお部屋を鍵付きのドアにさせていただきました。実は1階のお部屋は10月まで未だ襖戸でした。カニシーズンに向けてようやくドアを2階のお部屋同様にさせていただきました。
実は20年前、私が帰ってまだまもない頃、”部屋の入り口が襖なんてふざけるな!”と大クレームを受けたことがあります。それがずっと当たり前で営業してきていましたので、その瞬間は何を言われているのかわかりませんでした。しかし、改めて考えてみると、当時、”民宿旅館かどや”と名乗っており、旅館の感覚で来られたお客様にはクレームになっちゃうんだと、痛烈に学んだ記憶が今も残っています。
お部屋にトイレがあるか否か
こちらも2009年のリニューアル時、8部屋中6部屋にトイレをつけさせていただきました。2部屋つけられなかったのは、単純にスペースがなかったためです。
コロナ禍の対応により、現在トイレなしのお部屋は夕食時用のお部屋として利用しており、急にお部屋が多く必要となった時を除き原則としてトイレ付のお部屋しか販売しておりません。
「”民宿”かどや」と名乗っていますので、お客様に
民宿だけど部屋にトイレがある!
と、喜んでいただけることが多いです。
共有のお風呂やトイレが男女で分かれているか
実は今、私がよくいるフロント。40年前に当館ができたばかりの頃はここに共用トイレがありました。男女兼用で利用するトイレでした。2階の共用トイレも2009年までは男女兼用のものしかありませんでした。
お風呂に関しては当館は40年前から男女分かれてありましたが、宿によっては1つのお風呂を順番に、というのがあるのも”民宿”ではありがちだったと思います。
アメニティの有無
事前によくある問い合わせに
バスタオル、歯ブラシ、浴衣はありますか?
というのがあります。
民宿だとアメニティは持参しないといけない。そんなふうな認識の方が多いですし、私自身民宿に泊まる際は用意していきます。あればラッキーですし、なければ準備したものを使えば良い、ぐらいの感覚です。
勿論、事前にお問い合わせいただくのも正解。当館はこれらのアメニティを用意しておりますが、”民宿”と名乗っているせいでしょうか。よくお問い合わせをいただきます。
なお、ひげ剃りとシャワーキャップは必要であればフロントに言っていただくことでご用意できます。各部屋に常備ではないアメニティもありますのでご了承下さい。
とまあ、当館も2009年のリニューアルにより、設備面ではかなり”旅館”に近づいてきていると言えるかもしれません。
露天風呂もあるのに民宿なの?
と、言われることもあります。
それでも当館が”民宿”を名乗るのは何故でしょうか。
かどやが”民宿”を名乗る理由
当館が未だ”民宿かどや”と名乗っている理由は設備面と接客面、どちらにもその理由があります。
一番大きな理由【施設編】当館にはロビーがありません
当館が一番”旅館”とは言えない点。それはフロントはあってもロビーがない点です。(フロントも後から無理やり作った感がありますけどねf^^;)
通常、1階にお客様がお部屋以外でくつろぐことのできる共用スペースがあるのがホテルや旅館の一般的仕様かと思います。
当館の場合、階段下に座ることのできるスペースが少しあるだけです。
残念ながら、チェックイン時に記帳されている方以外が休憩する程度の場所でしかありません。
実はこの”ロビーがない”ということで多大なるご迷惑をおかけしているな、と感じることが多いです。例えば、チェックインの15時よりも早く到着された時。お部屋はまだ準備できていない。お客様に何度か
お部屋でなくてもロビーで休ませてもらえませんか?
とのリクエストを場合があります。でも、残念ながら当館にはその待機場所となるロビーがないのです。ロビーがない、共有スペースがないというのは、”民宿”だなぁ、と我ながら思ってしまいます。チェックイン前に早く着いたお客様が待っているスペースがない。家族でやっているため、チェックイン前は買い出しや仕込みでフロントにいない場合もあり、対応できないこともあります。この辺の現状が当館が”民宿”であると判断せざる得ない点であります。
一番大きな理由【接客編】電話やフロントに専任担当がいません
冬のカニシーズン、夕方どきは私、フロントにはいません。大体PM4時から6時の時間はカニを捌いています。なので、フロント業務はスタッフに譲ったり、電話も私は出られなかったり。
元々家族経営の小さな宿ですので、私も掃除はしますし(特にお風呂掃除は私の仕事)、カニ料理に関してはほとんどは私が行っています。私がフロントやパソコン業務だけを専任で行っているわけではありません。
この”専任担当がいない”というのがまさに”民宿”なのかな、と思ったりします。掃除機とフライパンとパソコン。時間に応じて持っているものが変わります(笑)。夜はお客様と同じように就寝しますので、PM10時以降は緊急災害時以外は対応しません。24時間対応ではない点はまさに”旅館”ではなく”民宿”なのだと思っています。
以上、他では対応して当たり前なことができなかったり、「まさかそんなことしてもらえるの!」ということがあるのも”民宿”の面白さかもしれません。お客様の求めているものとこちらが用意できるものの齟齬がある場合もあります。その辺は随時公式サイトやSNS、特にこのブログでお話ししていきますので、引き続きお読み下さい。確認していただけていると嬉しいです。
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