おはようございます!民宿美味し宿かどやのガクです!
最近お客様におっしゃっていただく褒め言葉?!に
民宿かどやって言っているけど旅館だね!
と、言われることがあります。
民宿かどや
と名乗っているけど、実際は旅館。
そんな風に言っていてだけること。光栄であり、とても嬉しいです。では、旅館なのか、民宿なのか・・・
かどやは香住旅館組合に加盟しています
実は「民宿」かどやと名乗っていますが、香住旅館組合に加盟しています。100軒以上ある香住の宿泊施設の中で、旅館組合の加盟施設は13宿だけです。
もちろん、旅館なのに旅館組合に未入会の宿、当館のように民宿なのに旅館組合加盟の宿、色々あります。
当館が20年前からクレジットカード決済を導入できたのは旅館組合のおかげ。他にも何かあった時の保険とか、お客様にも還元できる様々なメリットがあり、組合に加盟しました。
でも、そうなると旅館と民宿の違いってそもそも何でしょうか?
旅館と民宿の違いとは?
まず宿泊施設には「ホテル、旅館、簡易宿所、下宿」とざっくり4つの定義があります。近年ですとこれに「民泊」を加えても良いかもしれません。ホテルは洋式旅館(旅館は和式ホテル)という捉え方もできますが、法律的に細かい相違はあります。例えば、ホテルは男女トイレを別にしないといけないが、旅館は共同でもOK、など。今回はホテルと下宿の定義については省略します。あくまで旅館と民宿の違いにフォーカスします。
定義での違い
旅館の定義
・・・和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの」を行う施設のことを指す(旅館業法2条3項)。
となります。細かくいうと、客室が5室以上で、1部屋辺りが7平米あることが条件となります。
民宿・ペンションの定義
・・・「簡易宿所」が主に当てはまり、「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のもの」(旅館業法2条4項)
となります。ちなみにペンションも「洋風民宿」的な扱いで同じカテゴリーで扱うことも可能です。
では「簡易宿所」の定義は何か?客室が5室未満でもOK、1部屋辺り7平米というルールもなく、客室トータルで33平米であれば良いので、極端な話、20畳の部屋一部屋でもOKで、2段ベッド等階層式寝台を設置している施設やスポーツ合宿施設も「簡易宿所」ということになります。
実際の運営方法での違い
定義での説明ですと少しわかりづらいので、実際の運営方法での違いで説明してみます。Wikipediaに以下のように解説されています。
民宿(みんしゅく)は主に民間が運営する、多くの場合小規模かつ、客室が和室であるなど設備が主に和式である宿泊施設のこと。観光・レジャーによる利用を主体とし、多くは家族単位での経営である。
(中略)
現在では旅館との区別があいまいになってきた民宿だが、本来は今でいう民泊のように民家や使用していない小屋の一室を利用し客を宿泊させたのが民宿の始まりである。 本来は農家や漁業者等の地方民家の一室を、スキー客や海水浴客など旅行者の宿泊に提供した、自宅開放型の宿泊施設が民宿である。このため寝室を除き、廊下・風呂・便所などの宿泊客の利用する共有部分は、民家で生活する経営者とその家族との共有施設となっていた。
兼業農家、漁師などが民家の一部を貸し出したのが始まりの自宅開放型宿泊施設。共有部分は経営者の家族とお客様が共有利用となる。
この説明が一番わかりやすいですね。
最近では「民泊」がこの定義に当てはまることから「民宿」の存在がよりわかりづらくなってきているように感じます。元々「民宿」という言葉も使われだしたのは1994年に、「農林漁業体験民宿業」が定義されて以降のものです。それまでは「簡易宿所」という言われ方が一般的でした。
では、かどやは民宿?旅館
設備面では旅館に該当する部分が多い
では、「民宿かどや」はどちらに該当するのでしょうか。男女別にお風呂があり、露天風呂もある。お部屋にトイレもある。勿論、鍵もかけられます。そのため、「旅館」ではないか、と思われることが多いです。実際、今の家屋を建てたのが1985年、2009年にリニューアル。定義的には1985年に簡易宿所から「旅館」の規模となっています。
食事用の個室は宴会場を仕切って利用
1985年以降ほとんど変わっていない部分
元々は民宿からスタートしたため構造は民宿
かどやの創業は1970年。私の祖父母が始めました。当時は農家との兼業。浜茶屋もやっていました。と言いますか、浜茶屋をやっていて海水浴のお客様に
この辺で泊まれるところはありませんか?
と何度も訊かれることが多くなり、空き部屋を提供し始めたのが始まりです。
スタートはまさに
民家の一部を貸し出したのが始まりの自宅開放型宿泊施設。共有部分は経営者の家族とお客様が共有利用
だったのです。私の母親が1985年にリニューアルした時、2階が客室、1階が宴会場という「THE昭和」な宿が誕生しました。と言っても、各部屋は襖戸で鍵もなく、もちろん、客室内トイレはありませんでしたし、共有トイレも男女の区別がありませんでした。それらをリニューアルしたのが2009年、私の代になってからです。
「民宿」のリフォームで「旅館」に近づいていった
歴史を振り返れば、民宿をリフォームしていったことが、旅館っぽくなっていったのが現状です。なので、基本的構造は「民宿」のつくりのままですし、「旅館」と名乗れば当然ありそうな設備でないものもあります。例えば、当館にはロビーがありません。また、冷暖房が設置されているのは客室と食事用個室のみ、共有スペースやお風呂にエアコンはありません。
何よりも家族中心で始め、顔の見えるおもてなしをしてきた「民宿」としての先々代からの初心を変えようとは思っていません。
たとえ設備面で旅館化しても、お客様との距離感は民宿のままでありたいと思っています。そのため今でも「民宿かどや」と名乗りたい。そう考えています。
あと、カニという高単価食材を扱っていますので、通常の「民宿」に比べると料金は高めです。今回GoToトラベルで図らずも発覚しましたが、冬のカニの宿泊料金からGoTo割35%を引くと日帰り昼食の料金とほぼ同じという結果となるぐらい食事代の占める比率が高いです。
一例)
冬の松葉ガニ「基本」プラン19800円ーGoTo割35%=12870円、冬の日帰り昼食「基本」プラン12800円で差額が70円しかない。
つまり、1泊朝食付7000円の宿です。少なくとも、高級旅館ではありません。
また、美味し宿かどや(うましやどかどや)と名付けたのは、料理民宿としての特徴を一言で表現するためです。設備やお部屋がメインではなく、お料理がメインの宿であることの宣言です。
接客面に関しても、民宿らしいアットホームさでおもてなししたいと思っており、旅館のような洗練されたおもてなしを目指しているわけではありません。
というわけで、今後ともあえて旅館とは名乗らない、民宿かどやをよろしくお願いします。
香住/佐津/柴山 民宿美味し宿かどや
Tel:0796-38-0113
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