私が大学時代のことです。北海道旅行に行った際、母親から「鮭を1本送ってくれ」と言われ、札幌の二条市場へ行きました。
札幌二条市場(札幌市公式サイトより)
学生時代でお金はあまり持っていなかったのですが、母親から
「お金は後で返してあげるから、ケチらないで良いのを買って送って」
と言われました。
当時はクレジットカードなんて持っていませんし、銀行でお金をおろして買いに行きました。
市場に行くと、ものすごーくたくさんの鮭が並んでいました。
こんなイメージで並んでいた記憶が
※写真は札幌市中央卸売市場ブログより拝借
一番高いやつだと、1本1万円ぐらいしていたかな?当然ながらどれを買っていいかわかりませんし、相場、適正価格もわかりません。
眺めていると、店主さん宛に(おそらく地元札幌の料亭から)電話が。
「あ、もしもし。ああ、今日ねえ。お宅に卸せるほどいいのは入ってきてないわ」
私の心の声
「えっ?今日は良い鮭は入ってないの?こんなに並んでいるのに??」
おはようございます!民宿美味し宿かどやのガクです。
いきなり30年前のお話をさせて頂きました。当時はバブル絶頂期。物価は今と変わりありません。北海道で私が体験したお買い物シーンです。
まあ、店主さんの失言だと思うんですけどね。
「今日は良い魚入ってないよ!」
これ、今となっては私たちも仲買人さんとの会話で良くありますので変なやりとりではありません。
お客様にそう言った会話を聞かれては良くないですけどねf^^;。それはそれとして、今日は良い魚が入っている、今日はイマイチ。魚をカニに置き換えると私にもよく耳にする言葉です。
「カニを安く買えるお店を教えて下さい」
チェックアウトの際、お客様に時々
「カニを安く買える店を教えて下さい」
と言われることがあります。
これ、ものすごーく応えにくいです。
「お勧めのお土産屋さんを教えて下さい」
と言われるとお応えしやすいです。
もちろん「品揃えが多い方が良いのか、買うものがもう決まっているのか」によってご紹介するお店が変わる場合があります。ただ、当館の場合、お客様に「カニを買いたい」と言われたら
当館がカニを仕入れている仲買人さんがやっているお店を紹介し、そこで「かどやに宿泊した、と言って下さい」とお伝えしています。理由はお客様がどんなカニを食べたかご存知だからです。もちろん、当館でお出ししたカニと同じレベルのものが売っていますし、それを分けてもらえます。宿泊代から逆算しての価格も想像つくはずですので、むちゃくちゃな料金を言われる心配もありません。
つまり、自分たちが実際に食べたカニを適切な価格で買って帰ることが可能なわけです。
私はそれを間違いのないカニをゲットできたという意味で「安くで買えた」と言って良いと思うんですけどね。
「安くで買う」の意味って?
そもそも、「安いお店を教えて!」と言われても、「安い」の捉え方には色々あります。
例えば、浜値が1万円のカニが売値で1万2,3千円と、少し上乗せされているだけで販売されていれば、私たちは「安いな。良心的だな」と思います。実際、都会の百貨店で販売されている価格は様々な卸を経由して浜値の3?4倍というイメージがあります。なので、都会の百貨店で3万円以上で販売されているカニが1万円前半で売っていれば安い、良心的。でも同じカニを見ても、「カニ1ぱいが1万円以上するの!もっと安いカニはないの!」と思われるお客様もあります。
カニ相場は時期やその日の天候によって違います。昨シーズン3千円だったカニが、今年の11月は4千円、12月に6千円、年末年始は1万円なんてことが普通に起きる時代になってきました。
あるいは「家庭で自分たちの家族が食べるカニとして、指が何本か落ちていても良いのでその分安くなっているカニ」が欲しい、と考えてらっしゃる方もあるかもしれません。
指の落ち方にもよりますが、通常の2割?3割安で購入できる場合もあります。ただし、この指落ちも”訳あり”ガニですので、数に限りがあります。
また、関西圏のお客様の多い地域では、値切られることを前提に表示価格は高めに設定されているお店もあります。これは海産物に限らず、日本橋と秋葉原の電気製品の価格を比べてもそうです。同じ商品の店頭価格は秋葉原の方が安かったりします。値段交渉をして秋葉原の価格にわざわざしないといけない。私には大阪の日本橋にそんなイメージがあります。(ここ5年ぐらい入ってませんけどね)
店頭価格に上乗せされているお店に紹介で行った場合、お客様がお土産屋さんの気分を害するほど値切らない限り、お客様側から言わなくても「紹介」ということで安くしてくださることが多いです。もちろん、お客様を紹介したからと言って、当館はお土産屋さんからリベートとかは一切頂いていません。
誠実な商いをされているお店を紹介してもらうのが一番です!
正直に言いますね。「少しでも安く買いたい」と思ってらっしゃるお客様は「安物」をつかまされる可能性が高いです。
多分・・・百戦錬磨のお土産屋さんにとってはそういった人ほどカモだと思います。
極端な話、北海道から活のズワイガニを仕入れれば、柴山ガニの1/4?1/5で購入することは可能です。1kgサイズの柴山ガニが2万円。指落ちでも1万円以上します。もしもそれが5千円とかで売っていれば、地物ではなくニセモノです。
そんなものを売っている悪質なお土産屋さんはないと思いますが、少なくとも適正な価格で間違いなく地物を販売している良心的なお店を紹介させていただくことしか私にはできません。そう。
誠実に商いされているお店を紹介させていただく。
これが私にとっての「安いお店を紹介させていただいた」になります。
つまりそれをお客様の立場で言えば
地元のものを適正価格で販売している
誠実なお店を紹介してもらえる地元の人と仲良くなりましょう。
それが、私のような宿屋のオーナーだったりすれば良いわけです。
安くで買うことよりも、値打ちのあるものを適正価格で購入できるお店を紹介してもらえることが一番大切です。私が旅行に行って海産物や農作物を購入する際はそのことを心がけています。
長野県の知り合いのお宿さんに紹介してもらい、
農園から直接送ってもらっているりんご
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TODAY’S PHOTO
年末年始の某日に提供させていただいた番がに
素晴らしいカニを確保してくださった
仲買人さんに感謝です!!
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香住/佐津/柴山 民宿美味し宿かどや
Tel:0796-38-0113
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