香住ガニ（紅ズワイガニ）って松葉ガニ（本ズワイガニ）じゃないの？

気がつくと９月ももう下旬。あとちょうど１ヶ月半で松葉ガニ解禁ですね。今年の１１月６日は日曜日です。柴山港で開催される初セリまつり、実際の競りの様子も見られて楽しいですよ。

日曜日ですのでたくさんの人出になるかも！！

あ、ちなみになぜ解禁は１１月６日なの？
ぜひこちらをお読みください♪
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なぜカニ解禁日は11月6日？～松葉ガニも越前ガニも同じ日！

おはようございます！民宿美味し宿かどやのガクです。

今日は続けて蟹のお話。やっぱかどやブログは時々蟹のお話を書かないとですね＾＾

香住ガニまつりが開催された後というのは、9，10月の香住ガニプランのご予約、11月以降の松葉ガニのご予約が一気に増えます。いわゆるマスコミからの「カニの声」を聞くからでしょうね。

カニの声とともに画像も増えだします

ここで問題が。

カニは11月から

と思っていたのに9月に解禁のニュースがあふれ出すと、香住ガニ（紅ズワイガニ）と松葉ガニ（本ズワイガニ）の違いが判らず、混乱しながらお電話を下さるお客様も意外と多いのです。

香住ガニと松葉ガニの違い
混乱させてしまった？！「香住ガニ」の呼称
香住ガニ（紅ズワイガニ）が高騰している！
ブランドガニはコモディティ化している！
松葉ガニの方が高い理由を味で説明するとすれば

香住ガニと松葉ガニの違い

かどやブログにお越しの方は既にご存知の方も多いかと思いますが、カニについての復習をしますね。ズワイガニにはベニズワイガニと本ズワイガニがあります。

生の状態で真っ赤な紅ズワイガニ

生だと茶褐色、ゆでると赤くなるのが本ズワイガニ

本ズワイガニは一般的に松葉ガニとか越前ガニと呼ばれる高級ガニのこと。

また、2000年前半から水揚げ漁港のタグが付き始めたことで、地域名称を冠にしたブランドガニの呼称が流行りました。

間人ガニ、津居山ガニ、柴山ガニ、浜坂ガニ、などがそうです。他にも鳥取松葉ガニ、香住松葉ガニ、なんて言われ方やタグも存在します。

柴山ガニはピンクのタグ（写真はゆでガニ）

混乱させてしまった？！「香住ガニ」の呼称

9月に解禁したのは紅ズワイガニ。近畿では香住しか水揚げされないため、10年ちょっと前から「香住ガニ」と呼ぶようになりました。

紅ズワイであって本ズワイではないのに地域呼称をつけてしまった。

このことで混乱が生じてしまっていることも事実です。

地域呼称のカニ＝ブランドガニ＝松葉ガニ（本ズワイガニ）

というイメージが浸透してしまっているところに満を持して登場したカニで有名な地名”香住”の名を冠したカニが松葉ガニでないという事実・・・。

実際、松葉ガニと思って予約したのに来てみたら紅ズワイだった、ということで起こるトラブルが発生しているのを予約サイトのクチコミ等で見かけることが今でもあります。

あ、うちのお客様では過去にそんなことは起こりませんでしたけどね（＾＾）

一応改めてここでも記載しておきます（声を大にして！！）

香住ガニは松葉ガニではなく紅ズワイガニです！！

じゃあ、香住ガニという呼称はまずいかというと、私はそうではないかなと思っています。

香住ガニ（紅ズワイガニ）が高騰している！

今、様々なカニが高騰しています。タラバやズワイは特に顕著。2014年12月からのロシアからのカニ輸入制限の影響です。２０１５年春の仕入れ額が２０１６年春で１．８倍になっています。（同じ大きさ、同じ質のカニの価格が１．８倍になっているということです）そのため、この秋の香住ガニプランの価格を値上げさせていただきました。

正直、松葉ガニの価格に近づいてきています。紅ズワイガニが３ばい千円ぐらいで販売されていた時代はもう昔のことです。何より、値段差ほど味に差はありません。では、松葉ガニにこだわって食す理由は何か？それは後述させていただきます。

特に日帰り漁で鮮度に特化した香住の紅ズワイガニは総じて価格が高く、ブランド化してきています。松葉ガニ以外のカニに地域名称を付けるのは問題があったかもしれませんが、ブランド化した美味しいカニ、という受け止め方をしても良いレベルに達してきています。

ブランドガニはコモディティ化している！

ブランドガニはもう、コモディティ化してきています。コモディティ化って何？

コモディテイとは、カンタンに言うと、個性がないこと。
それは安売りの対象になって、価格競争に巻き込まれてしまいます。
あなたの会社や店が個性的な魅力があったら、少々高くてもお客さまから選んでもらえるのです。

たとえば薄型TVを考えてみてください。
同じ画面サイズの、パナソニック、シャープ、SONYの薄型TVが3台あります。
会社のロゴを削り取って、どれがどの会社のものかがわからなくなっています。
それぞれを使ってみて、どれがパナソニックで、どれがシャープで、どれがSONYかわかる人は、あまりいないと思う。
みんなそれぞれ、素晴らしい商品です。

これがコモディテイ化です。

製品的な優位さはなくなっているということ。
カンタンにいうと、みんな同じくらい性能はいいということ。
現代社会は製品が「コモディテイ化」しやすいのです。

エクスマ藤村先生のブログより

考えてみてください。間人ガニ、津居山ガニ、柴山ガニの同じ大きさ、同じランクのものをタグを外しておいてみる。それを食べ比べしてみてわかる人がどれぐらいいるか。

例えば、1万円で買ったカニ、とかならば味は異なります。その日の漁獲量によって予算内で買えるカニは異なりますので。どちらかというと、水揚げ漁港よりも、仲買人さんの目利きや宿の場合だとその仲買人さんとの親密性が良いカニに出会える条件かと思います。

もう、ブランドガニでお客様が行く場所を選ぶ時代は終わっています。お気に入りの地域、お気に入りの宿で選ぶのであって、「このブランドガニが一番美味しいから」という理由で選ぶ人はいません。

松葉ガニの方が高い理由を味で説明するとすれば

松葉ガニと思って食べたら紅ズワイガニだった。それって損した気になるのはもう一昔前のお話。紅ズワイの方が水っぽい、身入りが悪い、とよく言われていましたが、鮮度が良く、重さのしっかりしたものを選べば、そんなことはありません。身はしっかり入っていますし、水っぽいというよりも甘みが強くてジューシーと言っていただく方もあり、「松葉よりこっちの味の方が好き！」という方もいらっしゃいます。

これ、紅ガニを焼いています。
身のぷっくり感、写真から伝わりませんか？