豊漁ならばカニは安くなる、とは限りません

柴山港水揚げを示すピンクのタグ 松葉ガニ
柴山港水揚げを示すピンクのタグ

豊漁ならばカニは安くなる、とは限りません

おはようございます!民宿美味し宿かどやのガクです!!

今年はかに、豊漁みたいですね

いわゆる初競りからの報道もあり、そんな風に受け取っていただいている方が多いようです。

実は、私もお客様との電話やLINEでのやり取りで、そんなご意見が解禁直後に3件もありました。実際、以下の新聞報道でも漁獲は前年比でUPしていますね。

ズワイガニ初競り 但馬の漁獲高は2億5152万円 1キロ当たり1万1186円
 6日に解禁されたズワイガニ漁の初競りで、県但馬水産事務所は各港初日の水揚げ状況をまとめた。但馬全体の水揚げ量は2万2484キロ(前年比4%増)で、漁獲高は2億5152万円(同16%増)。1キロ当たり単価は1万1186円(同11%増)だった。

ただ、よくご確認ただきたいのは

但馬全体の水揚げ量は2万2484キロ(前年比4%増)で、漁獲高は2億5152万円(同16%増)。1キロ当たり単価は1万1186円(同11%増)だった

という部分。水揚げ量4%増に対し、漁獲高は16%増です。単純に1割以上カニが高くなっています。

勿論、今回のデータは初競りの11月6日、7日の対前年比です。今年はこの時期には珍しく海況が悪かった為、京都、福井の港が初日の漁を見送ったために高くなった面もあります。

ただ、大型船を所有するがために安定的にカニを確保できる柴山、香住、浜坂のカニをメインで仕入れている香住の民宿としては、今後カニの買い付け需要が当地に集中し、豊漁であっても高くなっていく傾向があるのではないかと不安に思っています。

と言いますのも、去年京都で起こった産地偽装タグ問題で、水揚げされた港の明確化が必須になっています。

柴山港水揚げを示すピンクのタグ

柴山港水揚げを示すピンクのタグ

大型船がカニを確保して帰ってきてくれることに感謝しかないのですが、それだけ多くの漁獲を行っていること。柴山港や浜坂港水揚げの松葉ガニがブランド旅行が高まる分、更に値段は上がっていくことは覚悟しないといけないかもしれません。

こればかりは海況の影響を大きく受けますので不透明な部分はありますが、産地の明確化の影響もあり、豊漁であっても価格は上がっていく傾向にあることはご承知いただきたいと思います。

少し、ネガティブな話になりましたが、カニが獲れない、激減している、というお話ではありません。当面(水産試験所の報告では少なくとも2028年まで)は水揚げが安定していると予想されていますのでご安心下さい。

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