近い将来、ズワイガニ(松葉ガニ)は激減し、いなくなってしまうのか、という不安について
おはようございます。民宿美味し宿かどやのガクです!!
香住ガニシーズンに入りましたが、来シーズンからに向けて、松葉ガニに関する少し専門的なお話をしばらくさせていただきます。
まずは昨日、当地における”漠然とした不安”となっている
松葉ガニ(ズワイガニ)は激減し、今後いなくなってしまうのか
という件に関してお話しします。
実は先月、「ズワイガニTAC管理等に関する意見交換会」に出席してきました。
いやぁー面白かった!!というか、とても勉強になりました。
TAC管理とは?日本では、水産庁が8魚種に関して漁獲可能量を定めています。その中にズワイガニも含まれています。
最近、
ズワイガニ(松葉ガニ)は年々減少しており、近い将来獲れなくなるんじゃないか
という話を耳にします。年々漁獲が減っていて、獲れなくなるのは時間の問題、と。
実際のところはどうなのか。
結論から言うと、資源予測上ズワイガニの漁獲は安定しており、5年後、10年後もなくなることはなく問題なく水揚げできるとのことでした(年によって豊漁、不漁の年はあります)。
ただ、現場の肌感覚として、高値で売れるカタガニが激減している。これが「近い将来獲れなくなるんじゃないか」という不安の根拠のようです。
※カタガニとは?
ズワイガニは約10年で13回の脱皮を行い、いわゆる高値で売れる良いカニになります。カタガニとは脱皮を12,13回行ったカニのこと。
TAC管理については、カタガニ以外、水ガニやブラガニ(モモガニ)、メスガニも含めた総数。そこに「高く売れるカニをいかに増やすか」というマーケティング的視点はありませんでした。
例えば、石川県や京都府のように水ガニを禁漁にした場合、どのように漁獲推移が変わっていくのか。また、現在漁業関係者はブラガニ(モモガニ)も獲らない方向で進めているそうです。
※水ガニとは脱皮直後のカニで、1年経てばカタガニになる
※ブラガニ(モモガニ)とは親指(爪)の小さなカニで、脱皮を1回スキップしたカニ、次の脱皮後、親指の大きなカタガニになる。
そう言えば、今シーズンはブラガニがほとんど入ってきませんでした。このブラガニを禁漁にした場合、どのように漁獲推移が変わっていくのか。
水ガニやブラガニを規制することが、カタガニの水揚げ増につながるのか?あるいはメスのカニは?
この辺りの相関性が近い将来わかってきて、対策がうたれるのではないかと思います。
いずれにせよ結論として、ズワイガニの漁獲は当面安定しています。但し、水産研究の分野には「売上の最大化」というマーケティングの論理は存在しないので、高く売れるカタガニの増減問題に対しては調査がまだこれからになっている。
これから数年のうちに減少の原因がはっきりして、どうすれば良いのかがわかってくれば、カタガニの供給も安定してくる可能性があるということです。
ただ、難しいのは乱獲要因よりも海流や水温上昇の問題の方が、漁獲に与える影響は大きいのではないか、という意見は捨てきれません。
水がに、セコガニがTACの制限どころか、人手不足や天候不良の影響で制限にも達しないレベルで毎年漁獲が終わっており、今の漁獲を止めたぐらいで大きな影響が出ない可能性もあるためです。
いずれにせよ、ズワイガニがいなくなる、獲れなくなる、というのは取り越し苦労のようでした。あとはカタガニの占める割合をあげていくにはどうすれば良いかを考えていく。そのことが科学的に教えてもらえたのと、より深くズワイガニの生態を学べたので、とても有意義な意見交換会でした。
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