一般的な宿のルールとしてのチェックアウト時間の定義について考えてみました

客室にて 旅の楽しみ方
客室にておくつろぎいただきたいですが、チェックアウト時間はお守りいただきたいです

一般的な宿のルールとしてのチェックアウト時間の定義について考えてみました

おはようございます!民宿美味し宿かどやのガクです!!

先日、宿関係者の中で、以下のコラムが話題になりました。

チェックアウト時刻は何分過ぎたら延長料金? ホテルの“あるある”トラブル対処法
日頃の疲れを癒やすため、休日は少し遠くに足を運んでリフレッシュするという人も多いでしょう。緊張感から解放される時間は貴重ですが、気がゆるみすぎると宿泊先でトラブルに見舞われることも。中でも、忘れ物や時間の勘違いなどは“あるある”ですよね。せっかくの気分を台無しにしないようにトラブルは避けたいところ。そこで、宿泊先で発生...

このコラムの中で、宿関係者としては容認できない文章が。

チェックアウトの時間が過ぎてしまった際の対応は、ホテルによってさまざまです。多くのホテルや旅館では超過30分まで様子を見て、それ以上は延長料金の発生を内線で伝え、延長するかどうかお客様に問い合わせをすることが多いです。

SNSでは宿関係者を中心に否定する意見が大多数でした。私自身、30分まで様子を見る宿があること、このコラムで初めて知りました。いえ、本当にそんな宿あるのかな、と思ったのが正直なところです。

ただこのコラム、さすがに問題があると判断されたのか、昨日7月17日の午後、以下の文章に修正されました。

チェックアウトの時間が過ぎてしまった際の対応は、ホテルによってさまざまですが、自動的に延長料金が加算される場合も。チェックアウト時間を守るのは利用時の基本的なマナーです。余裕をもって準備をし、時間内に退出できるよう心がけましょう。

この文章でしたら、問題はないと思います。

キャンセル料同様、時間超過(アーリーチェックインもレイトチェックアウトも)原則有料です。無料となった場合は、宿側の善意でやっているものであり、本来それは当たり前ではありません。

国土交通省「モデル宿泊約款」

延長料金についてのモデル約款

延長料金についてのモデル約款。具体的料金は宿側が設定します

キャンセル料もそうですが「そんな説明聞いていない!」と金銭的トラブルになった際は、最終的にはこちらのモデル約款が指標となります。宿泊予約は電話の口頭予約であっても「契約」であることにご注意下さい。

民宿かどやの場合、チェックアウト時刻の10時になった時点でまだ滞在されるのか否か、確認をします。お掃除のアルバイトの方の時間も決まっていますし、突然言われる延長は困る場合もあります。

チェックアウト時間以降に客室を利用されたい場合は事前のご相談をしていただきたいです。そして、その日午後3時から次のお客さまが使わないといけない場合は、今は換気の必要性もありますので、繁忙期だと延長をお受けできないことの方が多いです。

客室にて

客室にておくつろぎいただきたいですが、チェックアウト時間はお守りいただきたいです

私の個人的経験から

あくまで私の経験です。大学時代ですから35年ほど前です。山梨県を旅行していた時にビジネスホテルに泊まりました。前日の夜飲み過ぎて爆睡。9時55分ぐらいにフロントから電話がかかってきて、

間も無くチェックアウトですが、延長されますか?

という確認電話で目が覚め、大慌てでチェックアウトした経験があります。その経験があるので、今はどんなホテルに泊まっても、チェックアウト時間を過ぎそうになると連絡が来るものだと思っていましたし、それからはずっと10分から20分は余裕を持ってフロントでキーを返して精算をするようにしています。私自身、フロントに連絡もせずにチェックアウト時間になっても客室を出なかったということは一度もありません。

つまり、私の中ではチェックアウト時間は守って当たり前のこと、ただ、私が寝過ごしたように、うっかりの場合もありますので、宿側の立場になった今は、チェックアウト時間になったら必ずお客様へ確認させていただくようにしています。

当館の場合、お客様は朝8時から朝食をお召し上がりになるので、10時の時点で延長を求めるお客様が今まであったことはなく、5分か10分オーバーでギリギリに慌ただしくチェックアウトをされる、といった経験が数年に1、2度ある程度です。その場合は、延長の意思確認をして退出されるか否かを確認していますので、レイトチェックアウトフィーをいただいたことはありません。今後、確認の上、チェックアウト時間までに退出されないお客様があった場合は、正当な理由がない限り、請求することになります。

あ、一度だけありました。お客様のAirPods(コードレスイヤホン)の片方がなくなり、大探しをした時。一緒に探して、結局布団カバーに挟まった状態で見つかったのですが、この時は10時を過ぎました。今までにはありませんが、病気になられた時なども柔軟に対応させていただくと思います。こういったケースが「正当な理由」がある場合ですね。

さて、私の中では大学時の経験もあったので「時間は守るのが普通」「オーバーしたら延長料金がかかるのが当たり前」と思っていましたので、今回のコラムの「30分ぐらいは許容範囲」という内容にびっくりした次第です。

周りのお宿さんに聞いてみても、30分オーバーで連絡も入れない、許容範囲と思っているオーナーさんはいらっしゃいませんでした。正直、誤った情報が流布されては困りますので、このコラムが修正されたことに宿事業者としてホッとしています。

お客様にのんびり、ゆっくりはしてほしいと思いますが、チェックアウト後の時間は次のお客様のための準備の時間でもあります。その時間を奪われることはとても困りますし、そもそも、ゆっくりのんびりできるのは、決められた時間の範囲内です。その範囲を超えた場合に別途費用が発生するのはカラオケボックスや駐車場料金と同じです。

チェックアウトはどのタイミングで成立するの?

今回のコラムに類するお話で、以前に業界内で話題になったことがあります。チェックアウトのタイミングはどこで成立するのか?

例えば、チェックアウトが10時だったとします。客室を出るのが10時ならばOKか?フロントにキーを返して精算が完了した時点が10時までならばOKか?宿泊施設館内から出た時間が10時ならばOKか?

宿泊施設の業態によって例外はあるかもしれませんが、概ね宿側の回答で多かったのは

フロントにキーを返して精算が完了した時点が10時までならばOK

です。

お部屋の鍵を返して清算が終わった時点がチェックアウト

でも、確かにこれは合理的に考えて正しいです。チェックアウト処理の時刻はフロントにデータとして残ります。先程の例で言えば、カラオケボックスや駐車場料金は1分でもオーバーすれば追加料金が発生します。今後増えると予想される無人のチェックアウト精算機の場合、1分でもオーバーしたならば延長料金が発生する可能性があります。そのため、早めに精算する必要があるようになっていくかもしれません。

実際、既にお宿さんによっては

「フロントで精算を終え、宿のご出発(チェックアウト)の最終が10:00となります。精算と支度のお時間もありますから、部屋のご利用は9:50までが目安となります」
との注意書きや説明をされていたり、あえてチェックアウト時間を9:50や10:50とされているお宿さんも出てきているようです。

オーバーしそうな場合は必ず事前に連絡を

基本的にフロントは、チェックアウト時間になった時点、あるいはその数分前にまだ精算が終わっていない客室の確認を行います。その時点で、宿側から確認を取らせていただく場合は、お客様も急いでお帰りの準備をされているもの、と認識しています。万一、客室からの退室が遅くなる場合は、清掃や準備の段取りを変えないといけない場合もあります。そのため、チェックアウト時間内に退出できない場合は、スタッフかフロントまで必ずお知らせ下さい。延長料金はかかるかもしれませんが、その場合は正規の料金です。

キャンセル料、アーリーチェックイン、レイトチェックアウト等、コロナ前の宿業界はゆるい業界だったと思われていた節があります。が、人手不足のコロナ後の今、費用が発生した部分に業界全体でシビアになってきています。

これまでの一般論と変わってきている。キャンセル料は発生する。アーリチェックインは別料金が発生。レイトチェックアウトも無料とはならない時代へと変化しているとお考え下さい。

当館に限らず、あらゆる宿泊施設において

”以前はこうだった”

”他の宿はこうだった”

という意見は通らないものとお考え下さい。

勿論、無料とするお宿さんもあると思いますが、あくまで事前確認、事前交渉の上でサービスとさせていただくことはあっても、チェックアウトが遅れる事前の連絡のなかった方が、ルールを破ったことに対して無料サービスとなることはない旨、ご理解いただきたいと思います。

当館だけのお話ではなく、あくまで一般論としてお考え下さい。レイトチェックアウトを無料にしてくれる宿は存在すると思いますが、それを決めるのは宿側であり、いくら請求されても文句は言えませんので、お客様が勝手に無料と決めつけることではない旨、ご注意下さい。

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