「今回の旅行、ホテルと旅館どちらにしようか」を考えるときに参考にしていただきたいこと
おはようございます!民宿美味し宿かどやのガクです!!久しぶりに旅コラム「宿の選び方」についてのお話をします。
皆さんは、レジャー旅行において宿泊先を決める時、ホテルと旅館、どちらにされることが多いですか。私はどちらの場合もありますが、主に夕食メインの場合は旅館、旅先でのアクティビティメインの場合はホテルが多いです。誰と行くか、なんの目的で行くかで皆さんもホテルと旅館、選ぶ基準があるのではないでしょうか。
旅行で宿泊先を決めるポイント
私が旅先で旅館とホテル、どちらにするかを決める場合のポイントは、ズバリ、スケジュール次第です。
美味しいご飯を食べて、お風呂に入り、ゆっくりしたい場合は旅館。例えば旅先で何か目的があったり、友人に宿外であったりする場合は一緒に会食したりするケースも多いので、夕食のつかないホテルが多いです。
旅館は夕食や朝食の時間が決まっていることが多く、その時間には必ず食事の提供を受けなければなりません。これを融通がきかないと取ることも出来ますし、逆を言えば、スケジュールに従うだけでのんびりできるという良さがあるとも言えます。
「今回の旅行はどの程度時間に自由度があるか」で決める
例えば、日中にアクティビティを入れている。何時に終わるかわからない。食事は午後8時以降からなんてことになる場合もある。そんな場合は、旅館ではなく、夕食のつかないホテルを選択します。
部屋や温泉でのんびり、という目的がある場合は旅館です。
自分自身が夕食付きの民宿(業態としては旅館に近い)を営んでいますので、タイムスケジュールがはっきりしない旅行の場合は、ホテルを選択します。自分はのんびり時間が使えて、旅館側の段取りに合わせて行動できるならば、療養・リフレッシュ目的で旅館を選択します。
上げ膳据え膳は決められた時間の中でしかお願いできない
「上げ膳据え膳」って言葉をご存知でしょうか。
上げ膳据え膳(あげぜんすえぜん)は、何もかも人の世話になり、自分では何もしないこと、および、そのような状況のこと。 自分は座って何もしないまま、食事の膳を用意させ、自分のところまで運ばせ、そして食事にありつく、という状況である。 旅館のいわゆる「部屋食」は、文字通りの上げ膳据え膳である。
普段、自分で料理を作ったり、後片付けをしている人にとって「上げ膳据え膳」は至福のご褒美です。最近の方はベッドが多いかもしれませんが、布団の場合、布団敷きもやっておいてもらえます。
美味しい料理に温泉。リラクックスした時間。旅館では早めに就寝することも多いです。逆にホテルでは夜遅くまで出歩いたり、飲みに行ったりして寝不足になることも(笑)
ここで、宿経営者の立場だからわかってしまう「上げ膳据え膳」の注意点。
あくまでも定められた時間内のルールの中で「自由」が与えられます。例えば、夕食の時間が18時から21時までと決められている場合、夕食は21時で終了です。こちらからの希望で22時まで延長することは原則出来ません。アーリーチェックインもレイトチェックインも同様。「時間外」に対するイレギュラーは夕食の準備と後片付けを要する旅館は、ホテルほどの柔軟性はありません。
上げ膳据え膳はあくまで決められた時間内での「自由」であって、時間外に行動されたい方はホテルの方がオススメです。こだわりの料理をお願いすればするほど、より美味しいタイミングでお召し上がりいただけるよう、スタート時間も厳格になります。
旅館とホテルでは時間の概念が異なる。それにより、その時々の旅行スタイルでどちらを選ぶかが決まります。
勿論、旅館スタイルしかない地域、ホテルスタイルしかない地域というのもあります。旅館スタイルしかない地域でホテルを求めることはできませんし、ホテルスタイルしかないところで旅館を求めることは出来ません。
お客様によってはホテルの常識を旅館に求める方、もしくは旅館の常識をホテルに求める方もあります。これはお互いが嫌な気分になってしまいます。
時間的自由度を求めている方が旅館を選ぶと窮屈な思いをします。上げ膳据え膳を求めている方がホテルを選ぶならば、柔軟なルームサービス対応できるホテルを事前に選ばないと窮屈な思いをします。
今シーズンもお客様に
予約している日の仕事が長引きそうで到着が21時頃になりますがよろしいでしょうか?
というお問い合わせをいただいたことがありました。
夕食付の宿で当館のように終了の片付けから次の朝の準備や対応まで家族で行っている宿だと対応できません。お断りして早くこられる日に日程を変更していただきました。
その時の自分の旅のスタイル、目的にあった方を選ぶこと。あるいは、どちらの方が自分はストレスなく旅ができるかを把握しておくことも大切です。
勿論、どちらも楽しみたい。旅行ごとにそのスタイルを合わせることが旅を楽しむコツ、上手に宿を選ぶコツになります。参考にしていただけたら幸いです。
ちなみに・・・
私の中で勝手なイメージですが、お風呂に入ってから夕食をするのが旅館(特に鍋の場合は風呂後が最高!)、食事をしてからお風呂に入るのがホテルという勝手なイメージがあります(笑)。あと、1日に何度も温泉に入るのは旅館のイメージですね。
”身体を休める”湯治文化があるのも旅館の良さではないかなって思います。
大切なのは、求める旅スタイルとのマッチング。旅館でホテルの良さ、ホテルで旅館の良さを得るのは難しいです。どのような旅を楽しむかの事前の目的とマッチした宿を選び、旅を楽しんでいただきたいと思います。
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