あるホテルを予約しようとした時のことです。
事前カード決済のみのプランで他のプランより200円だけ安かった。
何で安いんだろう、って思ったらプラン内容の最後に
”このプランは通常のキャンセル規定と異なります。予約完了後は１００％キャンセル料が発生します”
と書いてありました。
その時は別のホテルを予約したので、このプランで予約はしませんでしたが
「ああ、予約の時点でキャンセル料１００％のプランがある宿、出て来てるんだなぁ～」
と思いました。
今日のブログは旅行好きな方、ホテルをよく利用される方向けへの注意情報としてのお話です。
おはようございます！民宿美味し宿かどやのガクです。
まず最初にお断りしておきます。当館で事前カード決済のみのプランはありません。
あ、海外の予約サイトに関しては一部あります。これは、海外のお客様に関しては先払いが一般的だからです。（お越しいただけない時にこちらから連絡の取りようがない、というのもあります）
更に言えば、カード決済に対応していてもいなくても、キャンセル料が1週間以上前から１００％かかるようなプランはありません。
ただ、そういったプランを作ってらっしゃるホテルさんの理由はわかります。考えられるに３つあり、これが恒常化してくると我々旅館や民宿が近い将来、早くからの予約であってもキャンセル料を徴収する可能性があるかもしれないと思います。
予約した瞬間にキャンセル料が発生する宿が増えた背景
当館は事前カード決済のみや予約した瞬間にキャンセル料発生というのを行っているわけではないので、あくまでも業界動向の分析としてお読みくださいね。
まず、お客様に言っておきたいことは今後
事前カード決済のみになっている予約の場合は必ずキャンセル規定を確認して頂きたい
ということです。
良心的なホテルの場合、プランタイトルに「キャンセル料１００％」とかプラン内容の最初に「こちらのプランはキャンセルと同時にキャンセル料が発生します」と記載してあります。
楽天トラベルでキャンセル料１００％の
プランのあるホテルは既に92軒もあります
じゃらんnetでキャンセル料１００％の
プランのあるホテルも既に90軒もあります
上記はきちんとプランタイトルやプラン内容の最初のその旨を書いている良心的なホテルさんだと思います。
書いていない、あるいは書いていても「通常のキャンセル規定と異なります」とだけ、あるいはプラン内容の最後の方にちょこちょこっと、という施設さんも存在しますので実数はもっと多いです。
保険の約款ではないのですから、わかりにくく書かれていたらそれは詐欺に近いですよね。とはいえ、引っかかる方も悪い。
私は過去に大阪のコインパーキングで「駐車場1日上限2千円」と書かれていたのですが、その下に小さく「但し、休日のみ」という文言を見落とし、８千円徴収されたことがあります・・。
あ、私の失敗談は良いですねｆ＾＾；
なぜ、予約した瞬間にカード決済でキャンセル料を徴収する施設が増えたのか。その背景について、私がこの為じゃないかな、と思う点を３つお話ししますね。
（１）キャンセル料徴収率の低さ
まず、日本の宿泊業界のキャンセル料回収率の低さがあります。当日予約、前日予約であっても、キャンセル料を支払わないお客様があります。本当は犯罪なのですが、宿側もキャンセル料の徴収交渉をする工数が割に合わないので泣き寝入りをされているところがまだまだ多いです。最近は若い人を中心にちゃんと支払われるようになってきていますが、年配の方ほど支払いをされない方がある傾向にあります。
実際、観光関連の調査結果でも宿泊業界の生産性の低さに「ブラック顧客データ共有の未対応」や「キャンセル料未回収」が原因に上がっています。
また、ここにきて海外からの観光客の増加。「日本はキャンセル料をとられない」ということで一時期、とりあえず予約だけとって来ない、というお客様が続出したのです。当館も一時期、日本語サイトにもかかわらずやたらと海外からの予約が入り、当然のごとくいらっしゃらなかったという被害が頻繁に出た時がありました。（今は色々と対策をしたので減っています）
いずれにせよ、これまでのように宿泊業が日本人対象のビジネスではなくなってきているので、イタズラ予約防止の面も含めて事前決済や早目のキャンセル料徴収をするホテルが増えてきています。
（２）複数日を予約して間際のキャンセル問題
日本人の予約でもちょっとした問題が起こっています。これはネット特有の問題。繁忙日、人気日を全て予約し、キャンセル料のかかるギリギリまで部屋を確保しておく、という昔の旅行会社のようなことをされるお客様があるのです。
確かに繁忙期の予約は
早目に仮押さえしておきたいところですが
例えば、夏休み期間中の8月の土曜日、１週目、２週目、３週目の予約を同じ人数、同じ名前で押さえ、ギリギリまでどの日に行くか決めない、という方。
あるいは年末年始、12月30日から1月2日まで1泊しかしない予定だけど、とりあえずどの日に行くかまだ決められないので４日間全部をギリギリまで押さえておく、という方。
悲しいことに当館でもこれをされるお客様、あるのです。なので、いわゆる人気日、繁忙期はうかつにネットに空室情報を出せない、「お電話かメールで予約して下さい」みたいなことになってしまう場合もあります。
これを防ぐには、事前カード決済しか受けない、予約した瞬間にキャンセル料が発生する、といった対策しか宿側はできなくなってしまいます。
以上のような背景があり、事前カード決済しか受けない、予約した瞬間にキャンセル料が発生すると言った宿泊施設が増えてきています。
（３）繁忙日の予約＆キャンセルの繰り返しは異常に多い
繁忙日によくあることです。とにかく予約とキャンセルの入れ替わりが激しい。
で、実は小さなお宿さんだと事業者さん自身が知ってらっしゃらないことがあります。
予約システムは、使用するごとにトランザクションフィーというのが発生しています。
つまり、予約が入る度に宿泊施設は手数料以外のお金を支払っているということ。これは結果キャンセルになっても発生していますので、予約とキャンセルを繰り返されると、宿には都度支払いが発生しているのです。
大きなお金ではありませんが
予約毎にお金が発生しています
私たちのような小さな宿だと大した金額にはなりませんが、お部屋数の多いホテルさんなどはこの支払いだけでも大変な金額になっているんだろうなぁ～と思います。
何より、この予約とキャンセルの繰り返しが管理ミス、オーバーブッキングの原因によくなりがちです。時々プランを変えようと短時間に予約とキャンセルを繰り返す方がいらっしゃいますが、あれ、結局キャンセルで終わったのか、予約で終わったのか、宿側の管理画面からだとわかりづらいのです。
小さな宿になればなるほどですが、全ての宿が予約サイトの管理画面を完璧に把握できているわけではありません。むしろ、そういったネットにうといオジサンオバサンが頑張って捜査している宿が多いのです。
なので、可能であれば予約とキャンセルの繰り返しは避けてもらいたい。キャンセル前提の仮予約的な取り方、思い付きでの予約を避けてもらいたい、という方向に進んでいるのかな、と感じています。
今後の宿泊予約の方向性
あくまで当館が、というわけではなく今後の宿泊予約の方向性としてこうなっていくんじゃないか、というお話です。
航空会社のように早割だと安くなる代わりにキャンセルフィーが予約後すぐにかかってくる。繁忙期などは安くならなくてもキャンセルフィーが予約後すぐにかかってくる方向に宿泊施設も向かっていくものと思われます。
また、一旦購入した宿泊予約。キャンセル料が高いのでコンサートのチケットの如く、キャンセルするのではなく自分で買い手を見つけないといけない時代になってきているかもしれません。
実際、購入してしまった宿泊の買取、販売代行をしてくれるサイトも登場しています。
ホテル予約のキャンセル料を支払う前に！
行けなくなったホテルの予約を出品しよう
こういったサイトが登場してきていること自体、そんな流れになってきているのかなぁ～と思っています。
いずれにせよ宿泊施設のキャンセルは、以前のように1か月前、1週間前ならばキャンセル料はかからない、と思いこまない方が良い時代になってきました。
特に事前カード決済のみのプランの場合はご注意下さい。
お客様の全体的なモラル次第では旅館や民宿もそうなってくる可能性はあると思います。
*******************************************************
TODAY’S PHOTO
最近私のお気に入りスイーツ
「豊岡市内港やさんのコーヒーゼリー」
程よい苦味が大人の味。男のスイーツで私もこの夏一押しです！！
喫茶コーナーもありますので、香住や竹野、城崎温泉からのお帰りの際にもぜひ♪
民宿かどやプラン一覧はこちら
*******************************************************
香住/佐津/柴山 民宿美味し宿かどや
Tel:0796-38-0113
↑↑↑
スマートフォンから電話番号を
タップすると直接発信可能です
