Airbnbで再認識した「旅館」の価値

宿の選び方

おはようございます。民宿美味し宿かどやのGakuです。先日の「旅館は飲食店営業」ということ、「知らなかった」ってお声をたくさん頂戴し、自分たちの思っている常識と世間の常識が大きく違っていることに気づきました。日本式の旅館や民宿と、いわゆるホテル、と言われているところとでは似て非なる業態ってことをもっともっと知ってもらわないといけないと感じていますが、ここにきてまた第3の?!新しい業態が登場しました。

Airbnbって何?

最近、アパートやマンション、自宅の空き部屋を旅行者に貸し出すAirbnbというサイトが人気です。個人の持っているものをシェアするビジネス「シェアリングエコノミー」の宿泊版ということで海外で始まり、今日本国内にも広まっています。

airbnbAirbnb公式サイト
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個人の持ち物を売り買いするネットオークションがあるわけですから、今後こういったサイトが登場してもおかしくないわけですね。色々と調べていくと、ホストファミリーのいる個人宅に宿泊するスタイルと、アパートやマンションの空き部屋がウイークリーマンションの数日版のように貸しに出されているパターンがあります。(リゾートの別荘の貸し出しなどもあるようです)我々宿業者も登録することは可能なようです。

個人的にはホストファミリーのいるおうちにお世話になるスタイルは面白いなって思いました。海外からの観光客のためのように言われていますが、日本人同士でも興味のある地方に泊まってみる、そこの人たちと生活しながら会話してみるって経験がとてもおもしろそうです。将来的にはそれで気に入って都会の方が地方へ移住、なんてことが起こったり、都会で就職に悩んでいる若者が農業体験や漁業体験をする場合の宿泊先として活用されたら面白いだろうな~なんて思いました。

でも、今Airbnbが日本で広まっているのはホストファミリータイプではなく、マンション等を活用した都会のホテル不足の穴埋めとしてのようです。

改めて旅館の価値を見返す機会になりました

実は、Airbnbの登場で旅館業の価値について改めて見返す機会を持つことができたと私は感じています。Airbnbは旅行業法においてグレーゾーンで営業を行っています。宿泊業を営むには様々なルールにしたがななければならず、その届け出も必要ですが、Airbnb内で登録している施設では、現在無認可で行っているところも多いようです。その善悪は今後法律で整理されていくでしょうが、鑑みて我々宿泊施設として国の認可を受けていることには、どんな利点があるのでしょう。ホテルではなく「旅館・民宿」のカテゴリーで改めて比較してみると、3つのポイントがあります。

1)衛生基準・・・前にお話した保健所の許可、旅館の場合は「飲食店営業」の許可を得ている時点で高い衛生基準にあると言えます。ホテルもそうですが、温浴施設(お風呂)に対する厳しい衛生基準もあります。食中毒だけでなく、レジオネラ菌等お風呂の衛生管理も行政(保健所)の指導・管理下にあります。

飲食店営業許可書飲食店営業です!!

2)耐震・防火基準・・・一般の民家に比べて高い耐震・防火基準が定められています。当館自身、小さな民宿ですが毎年行う消防点検、その際の消防の設備扱い基準がとても厳しいという実感があります。家主さん不在の民泊だと、火事や地震など有事の際、スムーズな避難指示や誘導ができるのか。そんな不安もあります。

非常口よく見ると法令で定められたサインがたくさん♪

3)セキュリティ基準・・・当館のように小さな規模だと特にそうですが、旅館、民宿オーナーのほとんどがその地で生まれ、育ち、地元で商いをしています。反面、都会のマンション型Airbnbは、誰がオーナーか顔は見えませんし、近年では外国人所有物件もあるようです。そう考えると、私は個人的に自分が使うとなると怖いです。耐震・防火基準等は問題ないでしょうが、宿泊業者としての許可ととっていない(=責任がない)ということは、例えば盗聴・盗撮される等、犯罪に巻き込まれるリスクも生じます。(実際に海外ではこんな事件も起こっています⇒「Airbnbで“民泊”したカップル、家主の隠しカメラで裸を盗撮される」)宿泊業として、商売として地元で宿をやっている場合、犯罪は起こせません。事件を起こし、故郷を追われるようなことはできないからです。家主の顔も見えず、問題が起きれば元のマンションに戻せばいいだけ、売り払ってしまえばいいだけのマンション型民泊とは「責任」の重さが違います。

かどや従業員顔の見える安心

ちなみに都市型のビジネスホテルなどでも、私の知る限りチェーンホテルでなければ、地元の”顔の見える”オーナーがされているケースが多いんですよ。

本業として宿を営む責任

今回のAirbnbの登場は、本業で宿を営む者の責任というものを改めて考えさせてくれる良い機会となりました。安全、安心な旅を楽しんでいただく。本来日本では当たり前のことでしたが、これからはこのことが”価値”になってくるように思います。

何より、当館のような小さな宿の場合、従業員の顔の見えることが大切なんじゃないかと思います。

かどやスタッフかどやスタッフの面々

宿泊業者としての許可を受けた安全・安心感とともに、いつお越しいただいてもいつもの笑顔でお出迎えできること。改めてそのことをしっかりと認識し、皆様をお迎えいたします。Airbnbの登場、改めて私たち本業で宿をやっていることに対する責任を自覚させてもらうことができました。

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TODAY’S PHOTO
焼く前のカニの甲羅みそ
焼く前の甲羅みそかにみそ、たっぷりです♪

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香住/佐津/柴山 民宿美味し宿かどや
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